勇者ライディーン
1975年(昭和50年)4月4日から1976年(昭和51年)3月26日迄、金曜日19時00分-19時30分にNETテレビ系列で放送されたテレビアニメ。
全50話。
この時間枠は長く毎日放送担当だったが、1975年3月31日の「ネットチェンジ」によりNETが獲得。
関西地区ではABCが系列局で、『ウルトラマンレオ』終了後に本番組が始まった。
企画は東北新社、アニメーション制作は創映社、広告代理店は旭通信社、主提供スポンサーはポピー。
創映社による初のロボットアニメで、前作『ゼロテスター』の制作スタッフが担当し後の路線の礎となった。
安彦良和は本作で初めてキャラクターデザインを担当した。
東北新社当時社長の植村伴次郎の「東映動画が『マジンガーZ』をやって儲かっているから、でかいロボットをつくればいい」の言から本作品の企画は始動した。
目標は「マジンガーZを越える」ことに据えられた。
ただし関係者によって若干の意識相違はあり、富野喜幸は「マジンガーZとゲッターロボを越える」、安彦良和は「グレートマジンガーを越える」であったと述べている。
ただいずれにせよ当時既に『マジンガーZ』の続編『グレートマジンガー』は苦戦状態であり、ただ似せただけではヒットしない事は明白な事から、従来のロボットアニメ作品に使われていない、斬新な設定、物語、キャラクターデザイン等の導入や開発が図られた。
主役ロボットには後述の外見意匠上の差別化だけでなく、玩具会社提案を積極採用した結果としての比較的無理の少ない別形態への変身能力付与、それ自体が未知の古代文明による発掘兵器であること、ロボットが搭乗者を選ぶこと、いわゆる乗り物操縦でなく搭乗者の身体動作をトレースし動作すること、光線兵器が強力な切断力をも合わせ持つ等の設定が与えられた。
放送後、関連商品はヒットし、ポピーの売上は『マジンガーZ』を越えた。
その利益は東北新社を潤したが、制作請負の創映社には回ってこず、この不満が後年の同社の独立のきっかけともなった。
安彦良和の描く細くはかなげな主人公と、美形敵役シャーキンは、多くの女子ファンを獲得した。
ライディーンとは12000年前ムー大陸で、ムー帝国の王ラ・ムーの命により妖魔帝国の侵略に対抗するために開発された巨大ロボット。
普段は人面岩内部に金色の素体状態で格納されているが、ラ・ムーの血筋を引く操縦者のひびき洸がフェード・インすることで、彼の念動力がキーとなって稼働する。
身長52メートル、体重350トン。
本作の主題歌は、それまで特撮ヒーローの歌を中心に歌っていた子門真人が初めて歌ったロボットアニメソングである。
子門は『マジンガーZ』の主題歌などをカヴァーした経験はあったが、ロボットアニメの正規の主題歌を担当するのは本作が初である。
1976年3月13日公開の「東宝チャンピオンまつり」内で、TVブローアップ版が上映された。
「東宝チャンピオンまつり」で巨大ロボットアニメが上映されたのはこれが唯一。
同時上映は『ピーター・パン』・『ミッキーのがんばれ! サーカス』・『ドナルドダックのライオン大騒動』・『チップとデールの怪獣をやっつけろ!』・『ドナルドダックの人喰いサメ』・『元祖天才バカボン』・『タイムボカン』の計7本。
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