ワンサくん
手塚治虫の漫画、並びにテレビアニメ。
又、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)のマスコットキャラクターの白い犬。
「三和」の逆読みで名づけられたと思われているが、「ワンサくん」に目をつけた三和銀行がマスコットとしての採用を申し入れたものである。
ガールフレンドの「ミドリ」は三和銀行のコーポレートカラーから取られた名前である。
『てづかまがじんレオ』に連載されていたが、『てづかまがじんレオ』が廃刊になったため未完結のまま終了している。
ストーリーもアニメ版とは異なり、ワンサと仲間達が税務署を襲撃するところもある。
『手塚治虫漫画全集』では本作の他に『海のトリトン (『テレビマガジン』・『たのしい幼稚園』版)』、『らびちゃん』、『とべとべるんちゃん』、『ぽっかち』の4作の短編漫画を収録している。
秋田文庫『ふしぎなメルモ』では本作と『海のトリトン(『テレビマガジン』・『たのしい幼稚園』版)』を収録している。
1973年4月2日から9月24日に、関西テレビの製作によりフジテレビ系列で毎週月曜19時00分から19時30分に放送された。
関西テレビが製作した初のテレビアニメであり、旧虫プロダクションが制作した最後のアニメ作品でもある。
脚本家の藤川桂介によると、西崎は「日本のディズニー」を目指しており、本作はディズニーのミュージカル風な作風になったという。
技術上では作中の犬たちを擬人化するため人間の演技を撮影したフィルムをトレースして作画した。
これはディズニーと同じロトスコープという技法である。
また、犬の生態を動物学者の小原秀雄にレクチャーしてもらったり、ミュージカルシーンのために日劇の演出家、日高仁を起用するなど、きわめて手間のかかった作品である。
しかしこうした試みは手間がかかりすぎたため2クールで終わる。
本作の放送終了後の2か月後には旧虫プロダクションは倒産した。
第21話まではコミカル路線だったが、第22話以降は生き別れになった母親を訪ね歩くシリアス路線となった。
最終回は、探しあてた時にはワンサの母は病気で、看病の甲斐もなくあっけなく死んでしまう。 ワンサは一人たくましく生きていく決意をして幕が降りる。
しかし実は全話が演劇だったという設定になっている。
番組では、次回予告(メガネ役の永井一郎が担当)の後、視聴者から投稿された犬の絵をアニメートして放送するコーナーが設けられた。
本作の声優陣はほとんどが『海のトリトン』、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズと同く、青二プロダクションを起用している。
2002年11月21日にDVDボックス(TKBU-5157)が発売されているが、虫プロダクション倒産後の紆余曲折を経て版権が東北新社に移っていることから、本作は他の虫プロダクション制作の手塚治虫アニメとは扱いが異なっている。
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