おれは鉄兵
週刊少年マガジンに連載されていたちばてつやの少年漫画作品。
あるいは、それを原作としたテレビアニメ。
『あしたのジョー』の連載を終えた1973年33号に連載を開始。
自由奔放で小柄な主人公が学園で巻き起こす騒動を描く、ちばてつやのかつてのヒット作『ハリスの旋風』のリメイクを意図したとも評される作品。
本作でちばは1976年の第7回講談社出版文化賞児童まんが部門を受賞。
連載は講談社の週刊少年マガジンで、単行本は講談社コミックス(KC)版は全31巻が発売された。
主人公の鉄兵は物語の当初は世の中の常識を全く知らず、字もろくに読めない野生児そのものであった。
終盤では学園生活を経験することで、破天荒ではあるが比較的良識のある少年へと成長している。
ただし博打とケンカと酒に目がない性格は、一貫して変わっていない。
鉄兵の精神的な面の成長とは逆に、ルックスは幼児退行している。
連載開始当時は『あしたのジョー』の矢吹丈を思わせる精悍な顔立ちだったが、連載終了間近になるとまるで小学生にも見えるような小柄なキャラクターへと変貌している。
太くつながったまゆ毛も連載途中からのものであり、後に鉄兵というキャラクターの特徴の一つとして語られることとなった。
なおアニメ版のキャラクター設定は、原作後期の鉄兵の姿に準拠している。
学園スポ根漫画としては珍しく、ほとんどヒロインらしいキャラクターが登場しない。
登場する女性キャラクターは鉄兵の家族やクラスメイト、学校の先生など美人も多かったが、鉄兵との色恋話は物語の中ではまったくといっていいほど語られなかった。
1977年9月12日~1978年3月27日までフジテレビ系で放送された。
全28話。
KC版第8巻前後までのストーリーで構成され、原作にはないエピソードやアニメ版オリジナルのキャラクターなどが多く追加されている。
ちば作品のアニメは、1972年9月終了『国松さまのお通りだい』以来5年振り。
開始当初は好評だったが、3週間後に裏で開始した『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』(日本テレビ系列)に食われ視聴率が低下、結局約半年で終了した。
映像メディアとしては、TCエンタテインメントより『想い出のアニメライブラリー 第25集 おれは鉄兵 DVD-BOX デジタルリマスター版』が2014年9月26日に発売されている。
音楽メディアとしては日本コロムビアより『おれは鉄兵 オリジナルサウンドトラック』が2015年4月29日に発売されている。
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