銀河鉄道999
松本零士作のSF漫画。
1977から1981年にかけて、少年画報社「少年キング」にて、同誌の看板作品として連載された。
第23回(1977年度)小学館漫画賞を受賞した松本零士の代表作。
連載中にテレビアニメ化、劇場アニメ化されて大ヒットしてアニメブームの原点を確実なものとし、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズとともに1980年代初めの松本零士ブームをも巻き起こした。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』とモーリス・メーテルリンクの『青い鳥』をヒントに執筆が始められ、全体的に寓話性や教訓性が若干強いものの、物語や登場人物の印象的な描写によって多くのファンを得た。
タイトルの999には、大人の1000になる前で未完成の青春の終わりという意味が込められている。
本来『宇宙海賊キャプテンハーロック』とともにアニメの企画であった。
アニメ化が実現に至らず、やむなくそれぞれ漫画連載していたところ、松本零士も関わった『宇宙戦艦ヤマト』のブームが到来。
両作品ともテレビアニメ化された。
フジテレビ系列で、1978年9月14日 - 1981年3月26日に全113話 + テレビスペシャル3話が放送され、翌1982年に総集編が放送された。
東映動画製作。
文化庁推薦作品。
最高視聴率は22.8% 。
劇場アニメ版の製作はテレビシリーズ放送開始の3日前に決定されていた。
ストーリーの多くは他の漫画原作アニメ同様に「原作をトレースするスタイル」で、原作のストックが尽きた際には別の松本短編作品をアレンジしたアニメオリジナルエピソードなども盛り込まれた。
低年齢視聴者への配慮として過激な台詞回しを抑えたり、結末を変更した作品もある。
その一方で、作中のヒロイン・メーテルのヌードシーンなどを一部カットする一方で、原作よりも過激で暴力的な表現も多々見られた。
また、文化庁推薦のアニメでありながら10歳の鉄郎が飲酒を行うシーン(「時間城の海賊」ほか)があるなど、教育上、問題のある場面もある。
なおテレビアニメ版の最終回は漫画版終了前の放送であったため、原作の結末とも映画版の結末とも違う独自の展開となっているが、終着駅の消滅とそれに伴うプロメシュームの死、メーテルとの別離という基本的な流れは踏襲されている。
スポンサーのポピー(現・プレックス)からは関連商品として、999号に加えて111号から888号までのダイキャストのおもちゃが発売されて、オープニングアニメやアイキャッチなどに登場したが、売り上げは今ひとつだったとされる。
オープニング曲(OP)では主人公である鉄郎やメーテルといった登場人物が一切映らず、主役メカ・999号をはじめとする列車が宇宙空間を飛び交うというものである。
3つのバージョンがあり、1番目のものは第7話まで、2番目のものは第8話から第29話まで、3番目のものは第30話から最終話までとなっており、3番目が一番長い期間使用されている。
なおOPに登場する列車や、3番目のバージョンに登場するオメガベースなどは全てスポンサーのポピーより商品化されている。
エンディング曲の映像は登場人物がメインとなっている。
2パターンがあるが、2パターン目はメーテルの横顔を右半分に大きく取り、左側で鉄郎がゆらゆら浮遊するように映っている場面でバックに列車が追加された程度のマイナーチェンジである。
イントロ部分で独楽のように回転しているオブジェは第1話で鉄郎の母が鉄郎に遺した形見のペンダントである。
テレビシリーズ放送中に夏休み映画として公開されてヒットした2本の長編作品と、1998年に公開された中編作品がある。
先に製作された映画版2作品の大きな特徴として、青春映画にしたいという製作陣の意図により、映画版1作目において主人公の鉄郎の年齢が10歳から15歳へと5歳引き上げらたことと、漫画版・テレビアニメ版に比べ鉄郎の顔が男前になっていることである。
映画3作品と「ガラスのクレア」を収録したDVD-BOXは2001年7月27日に発売された。
テレビシリーズは2002年から2003年にかけて全6集のDVD-BOXで発売。
DVD-BOX6には特典映像として「ガラスのクレア」に加え、総集編「少年の旅立ちと別れ」も収録されている。
映画3作品については、「999」にちなみ単品発売ならびに3作品すべてを収録したBD-BOXが2009年9月9日発売。
TV版も2014年3月以降BD-BOX全7巻が順次発売された。
TV版BD-BOXについては、マスターフィルム未発見の為、DVD版マスターをブラッシュアップしたものを元にしている。
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