宇宙海賊キャプテンハーロック
松本零士原作の漫画、或いはそれを原作とした同一タイトルのテレビアニメ。
腐敗した地球に見切りをつけ、大宇宙に己の旗を掲げ自身の信念の下に生きるアウトローの宇宙海賊・ハーロックを中心とするスペースオペラである。
時代設定は連載開始年の1000年後となる西暦2977年という未来となっており、地球侵略をたくらむ異星人マゾーンと宇宙海賊であるハーロック達の戦いを描く。
主人公のハーロックは、本作の他にも数々の松本零士の作品に重要キャラクターとして登場する。
1977年から1979年にかけてプレイコミックにて連載され、未完のまま終了。
秋田書店より単行本で全5巻、愛蔵版・文庫版で全3巻に収められている。
元々テレビアニメーション企画として松本が提案したがすぐには実現せず、プレイコミックでの漫画連載が先行して始まった。
企画は松本が主宰する「零時社」で行われ、アルカディア号などのデザインでスタジオぬえが参加していた。
企画の背景には、松本も関わった『宇宙戦艦ヤマト』の爆発的ブーム、さらには『スター・ウォーズ・シリーズ』を中心としたSFブーム、また当時全盛期のロボットアニメに代わる分野の開拓があった。
この作品は新書版単行本にして5巻続き、マゾーンとの闘いに決着がつかないまま「第一部完」として未完の状態であり、詳しく語られなかった設定も多い。
中でも重要なものとして、名前しか出ていない親友トチローの存在がある。
二人の出会いについては作品によって設定が分かれているので確定はできないが、先祖から何らかの因縁があったらしいことは共通している。
いずれにせよ、トチローは技術者としては超一流で、アルカディア号の設計と建造に携わったほか、滅亡した文明の宇宙船とされるクイーン・エメラルダス号の修理にも携わっている。
その後、「宇宙病」がもとでトチローは死に、アルカディア号の中央大コンピューターに宿る魂となり、ハーロックと共に宇宙を旅することになる。
他にもエメラルダスやメーテルとの関係など、本編を読んだだけでははっきりしない設定が多い。
アルカディア号とは、ハーロックの乗艦にして本作の主役メカ。
ハーロックの友人・大山トチローの手で設計された全長400mの海賊戦艦。
艦載機としてスペースウルフ、ボレットなどを搭載する。
武装は主砲パルサーカノン、速射砲スペースバスターなど。
艦首に内蔵されたラム(衝角)を突き出して敵艦を貫通することもできる。
1978年に東映動画によりアニメ化され、1978年3月14日から1979年2月13日にかけて、毎週火曜日19時00分から19時30分にテレビ朝日系にて全42話が放送された。
未完のままの原作に対して、アニメオリジナルでストーリーが完結している。
ナレーターは本編を柴田秀勝が、次回予告を神谷明が担当している。
また、テレビアニメ放送中の1978年7月22日から東映まんがまつりの1本として劇場アニメ『宇宙海賊キャプテンハーロック アルカディア号の謎』が公開されている。
これはテレビアニメ13話をベースに新作場面を追加した34分の再編集作品である。
アニメスタッフにより大幅な脚色が加えられ、地球側やマゾーン側に原作では登場しないキャラクターが多数登場することとなった。
これによりトチローの娘「まゆ」が創作され、このまゆの存在がハーロックが地球を守る理由付けになっている。
ハーロックが地球を守る理由を示す「まゆ」と共に、ハーロックに歯向かう気骨ある軍人として登場する敵役の切田長官もアニメオリジナルキャラクターとして加えられ、原作よりさらに視聴者に理解しやすい作劇の作品となった。
また、エメラルダスは版権の問題から登場させることができず、彼女に相当するキャラクターとしてエメラーダが創作され、まゆの母としてハーロックの回想シーンで登場することとなった。
「母星を失い、長い流浪の旅の果てに地球へ移住し、第二の母星とする」というマゾーンの目的も明確に描かれた。
ビジュアル面での大きな変更点としては、アルカディア号の船体色が原作のカラーページや関連イラストなどでのミリタリー風の緑からアニメ版では青に変更されていることが挙げられる。
これはマーチャンダイジングを前提としたスポンサーサイドや制作側の意向に沿った変更である。
放送当時はメインスポンサーであるタカラとタカトクトイスが主だって玩具中心の商品展開を行った。
DVD-BOXは2003年12月に後述のDVDレコーダーとのセット販売という形で先行発売された。
2004年7月にハーロックプロジェクトの第三弾としてテレビシリーズ全話および劇場版『アルカディア号の謎』を収録して発売。
【宇宙海賊キャプテンハーロック】の主題歌・あらすじ・登場人物・声優
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