無敵超人ザンボット3
日本サンライズ(現・サンライズ)制作の日本のロボットアニメ。
テレビアニメとして1977年から名古屋テレビ他で放映された。
サンライズ(当時は日本サンライズ)が、前身の創映社より改組・独立後のオリジナル作品第1作目。
本作は名古屋テレビ製作である。
今日では珍しいことではないが、当時の状況では東京・大阪以外のテレビ局がアニメ製作をするのは異例なことだった。
タイトルの『ザンボット3』は「三機合体のロボット」と「サンライズのロボット」という意味がある。
音楽には『天才バカボン』、『キューティーハニー』の渡辺岳夫、『世界名作劇場』の松山祐士。
渡辺岳夫と松山祐士が初めてロボットアニメの音楽を手がけた作品である。
如何にもスーパーロボットアニメ風な敵メカ登場時に、その名前がテロップで紹介されるなどの演出はあるが、戦火と荒廃の中での日常生活、戦闘シーンでのリアルな心理(特に戦闘に臨むことの恐さ)、ショッキングな人間の殺し方と初期から出演のサブキャラクターが犠牲者になる「人間爆弾」、主人公たちが周囲から非難の的になる、等の現実的な設定と演出がある。
主人公たちは純粋な地球人ではなく、ガイゾックの攻撃から逃れ宇宙を放浪したのち地球に到着し、日本に移住してきた(江戸時代頃と思われる)異星人・ビアル星人の末裔である。
この主人公たちが敵・ガイゾックと戦闘し、住宅や無関係な人への被害が出るため、主人公たちは地球にガイゾックを「連れてきた」と誤解され、一般の地球人から激しく非難される、という描写が物語前半では繰返し行われている。
最終回では、ガイゾックはガイゾック星人により作られたコンピュータで、平和のためにビアル星人を含む悪意に満ちた生物を滅ぼすことを目的とし、危険な地球人を平和のために滅ぼすため飛来したという事実がガイゾックによって語られ、従来の単純な公式「勧善懲悪」に“正義とは何ぞや、誰がそれを決めるのか”と疑問を投げかける結末となっている。
最終回ラストは傷つき、疲れ果てた主人公に、それまで非難していたはずの人々が歓声をあげて駆け寄るシーンで物語がしめくくられる。
最終回の放映後、プロダクション、スポンサー、広告代理店が真っ青になったと富野は語っている。
物語の終盤にみられる、主要キャラクターが次々と死亡する展開は、富野の異名「皆殺しの富野」の原点の一つとして語られ、彼のスタイルを印象づけた。
本作の放映された1977年はロボットアニメや特撮ロボット系だけでも多数のライバルが存在していた時期であり、その中での成功だった。
ちなみにこうした供給過剰の状態に加えて、厳しい市場環境のため本作の競合作品たちは脱落していき、翌年はロボットアニメの制作本数が大きく減少した。
77年放映開始の6本のロボットアニメとロボット系特撮の番組枠の内、後番組もロボット系作品が制作されたのは本作と『ボルテスV』の2本のみである。
本作の関連商品で好調なものにLD-BOXがある。
1997年にバンダイビジュアルより発売されたLD-BOXはオリコン調べで7319本が売れた。
これは1970年代のアニメのLD-BOXとしては『機動戦士ガンダム』と『未来少年コナン』に次ぐ売上である。
当時(1970年代)、アニメソング市場は日本コロムビアがほぼ独占していたが、キングレコードは本作を皮切りに『機動戦士ガンダム』、『伝説巨神イデオン』等、日本サンライズ作品の主題歌販売権を次々と獲得し、シェアを伸ばしていった。
ザンボット3は様々なメーカーからザンバード、ザンブル、ザンベースがザンボット3に合体、ザンバードがザンボエースに変形可能な玩具が発売され、主にパーツの差し替えと組み替えによる3機合体やザンバードがザンボエースの変形を再現した。
しかし、デザインや構造自体に無理があるために、組み替えや、補助パーツ無しでの完全合体するザンボット玩具は未だに出ていない。
また、クローバー製玩具は、設定に倣った武器も一応は同梱されたものの、それを手に持たせられないアンバランスさも目立つ。
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