魔女っ子メグちゃん
1974年4月1日から1975年9月29日まで、NET日本教育テレビ(現・テレビ朝日)系列毎週月曜 19:00 - 19:30にて全72話が放送されていたテレビアニメである。
東映魔女っ子シリーズの1つ。
本作の企画案は、前作『ミラクル少女リミットちゃん』と同じひろみプロが製作。
これをベースに、魔法使いから発展した魔女の世界観を流入し、魔界の女王候補となるライバルとの駆け引きを描くことを軸とし、従来路線との差別化を図った。
魔法少女作品において、主人公の魔法少女と対立するライバルキャラクターが登場した最初の作品である。
また、クールなライバルヒロインのノン、滑稽な調査官チョーサン、闇の女王サターンは、後の魔法少女物のサブキャラクター像に大きな影響を与えている。
前川陽子の歌唱による、背伸び気味の少女期の気分や魅力を強調した七五調の主題歌も特徴のひとつで、オープニングに描かれた「チラ見え」のエロチシズムも相まって、メグの小悪魔的な魅力を高めるのに一役買った傑作といわれる。
オープニングでも表れているように、本作のコンセプトは「『ハニー』より控えめで綺麗に可愛く小粋にいこう」である。
西洋の街並みを思わせる無国籍な世界観、少女マンガやファッショングラビアを彷彿とさせる画面構成やデザインは、これを意識したスタッフの試みの表れである。
感情的かつお転婆でやんちゃなメグのキャラクターは従来の優等生的な魔法少女像を払拭し、これ以降の魔法少女物では、活発かつ活動的な性格付けの主人公が主流となる。
さらにコメディーの要素も加味したことで、ドタバタのお笑い、露出度のやや高いサービスシーンも追加された。
それまでの魔法少女アニメの主人公よりも年齢が高めで思春期を迎えた年頃の少女像を伴ったメグの魅力と健康的なお色気を押し出した作風は、少年層に大きく訴求し、結果的に本作は少女のみならず少年の視聴者層からも人気を集めることとなった。
ともすればメグのあられもない描写に注目が行きがちな本作であるが、悩むより走り出す性格のメグを描くことは、やがて人間中心の物語展開を導くこととなった。
全話を通して、主要キャラクターを務める声優が、同じ一話の中で多数のキャラクターを演じている。
本作における魔女の出身地である「魔界」は、「不思議な力」の理由づけとしての「魔法」を扱っていたそれまでの魔法少女物とは趣きが異なり、西洋における「魔女」の世界観やイメージを組み込んだ「魔の存在」として描かれ、人間世界と同じ次元に存在しつつ人間の世界とは対照的な世界として描写されている。
『東映まんがまつり』内で2作が上映されている。
魔女っ子メグちゃん(1974年7月25日上映) 併映は『マジンガーZ対暗黒大将軍』『五人ライダー対キングダーク』『フィンガー5の大冒険』『イナズマンF』『ゲッターロボ』の5本。
魔女っ子メグちゃん 月よりの使者(1975年3月21日上映) 併映は『アンデルセン童話 にんぎょ姫』『グレートマジンガー対ゲッターロボ』『これがUFOだ!空飛ぶ円盤』『仮面ライダーアマゾン』『がんばれ!!ロボコン』の5本。
DVD-BOX 1 [2002年12月21日発売] 1話から36話まで DVD-BOX 2 [2003年1月24日発売] 37話から72話まで
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